帰れない思い、年賀状で　コロナ影響

　新型（しんがた）コロナウイルスの感染（かんせん）の広（ひろ）がりで、年（ねん）末（まつ）年（ねん）始（し）をふるさとで過（す）ごす帰省（きせい）や集（あつ）まりを控（ひか）える代（か）わりとして年（ねん）賀状（がじょう）が注目（ちゅうもく）を集（あつ）めています。最近（さいきん）は電子（でんし）メールやネット交流（こうりゅう）サービス（ＳＮＳ）に押（お）されがちですが、「家族（かぞく）の様子（ようす）やメッセージを心（こころ）を込（こ）めて伝（つた）えられる」と、はがきの良（よ）さが見直（みなお）されているようです。

　年（ねん）賀状（がじょう）印刷（いんさつ）をうけ負（お）う会社（かいしゃ）、フタバ（本社（ほんしゃ）・愛知県（あいちけん）名古屋市（なごやし））が１１月（がつ）に全国（ぜんこく）の約（やく）５００人（にん）に行（おこな）ったアンケートでは、約（やく）４割（わり）が「年（ねん）末（まつ）年（ねん）始（し）は帰省（きせい）しない」と回答（かいとう）しました。「新型（しんがた）コロナで帰省（きせい）先（さき）の家族（かぞく）や高齢者（こうれいしゃ）に迷惑（めいわく）をかけたくない」「長距離（ちょうきょり）・長時間（ちょうじかん）の移動（いどう）が不安（ふあん）」を理由（りゆう）に挙（あ）げる人（ひと）が目立（めだ）ちました。親（おや）や友人（ゆうじん）に「年（ねん）賀状（がじょう）を送（おく）る」と答（こた）えた人（ひと）は約（やく）６割（わり）に上（のぼ）りました。

撮影会（さつえいかい）が人気（にんき）

　富士（ふじ）フイルムは年（ねん）賀状（がじょう）向（む）けの無料（むりょう）の撮影会（さつえいかい）を初（はじ）めて企画（きかく）しました。約（やく）２３０組（くみ）分（ぶん）の枠（わく）を用意（ようい）すると、１８００組（くみ）を超（こ）える応募（おうぼ）がありました。抽選（ちゅうせん）に当（あ）たり、東京都内（とうきょうとない）の会場（かいじょう）を家族（かぞく）で訪（おとず）れた会社員（かいしゃいん）の太下（おおした）夏果（なつか）さん（２９）は「今年（ことし）は新型（しんがた）コロナが心配（しんぱい）で遠方（えんぽう）で暮（く）らす祖母（そぼ）に会（あ）えない。年（ねん）賀状（がじょう）で娘（むすめ）の成長（せいちょう）を見（み）せたい」と話（はな）しました。富士（ふじ）フイルムでは年（ねん）賀状（がじょう）印刷（いんさつ）の注文（ちゅうもん）件数（けんすう）が１１月末（がつまつ）時点（じてん）で前（ぜん）年（ねん）の同（おな）じ時期（じき）に比（くら）べて１５％増（ふ）えたそうです。

　ただし、日本郵便（にっぽんゆうびん）が１０月（がつ）発表（はっぴょう）した来（らい）年（ねん）用（よう）年（ねん）賀（が）はがきの当初（とうしょ）発行（はっこう）枚数（まいすう）は、前（ぜん）年（ねん）に比（くら）べて１７・４％減（へ）って１９億（おく）４１９８万（まん）枚（まい）です。記録（きろく）が残（のこ）る２００４年（ねん）用（よう）以降（いこう）で最（もっと）も少（すく）ないです。そんな中（なか）、アニメ「鬼滅（きめつ）の刃（やいば）」と今年（ことし）いっぱいで活動（かつどう）を休止（きゅうし）するアイドルグループ「嵐（あらし）」をデザインしたお年（とし）玉（だま）付（つ）き年（ねん）賀（が）はがきの予約販売（よやくはんばい）は好調（こうちょう）といいます。年（ねん）賀状（がじょう）配達（はいたつ）の受（う）け付（つ）けは１５日（にち）から始（はじ）まります。【加藤（かとう）美穂子（みほこ）】