澤田克己 毎日新聞 論説委員
新型コロナウイルスの感染の広がりで、世界中のプロスポーツが影響を受けています。
日本では、プロ野球が6月後半の開幕を目指すことにしました。でも実際に試合を始められるかは、まだわかりません。Jリーグも中断が続いていますし、大相撲の夏場所も中止となりました。
海外でも影響は出ていますが、少しずつプロスポーツを再開させる国や地域が出てきています。
政府が機敏に対応して、感染拡大を抑え込んだと評価される台湾が一番早かったと言えます。世界に先駆けて、プロ野球の試合が4月12日から無観客で始まりました。
5月8日からは、1試合1000人以下なら観客を入れていいことになりました。ただし、観客には健康状態のチェックが求められます。座席も指定席だけで、間隔を空けて販売。観戦中もマスクをしていなければなりませんし、水と薬以外は飲食禁止です。
ちょっと不自由ですが、それでも観客は「私たちは世界一幸せな野球ファン」と喜んでいるそうです。
韓国でも5月に入ってからプロ野球とサッカーKリーグが開幕しました。台湾プロ野球と同じく、どちらも無観客でのスタートです。
韓国プロ野球では、開幕前に44ページにおよぶマニュアルを作りました。
選手たちは起床後と、球場へ向けて出発する直前に検温しないといけません。球場に着いても、グラウンドとベンチ以外の場所ではマスク着用が義務です。試合中につばを吐いたり、ハイタッチや握手をしたりすることも禁止。選手などに感染者が出たら、中断を検討することになっています。
選手たちは大変です。でも実は、いつもより張り切っている選手もいるそうです。なぜでしょう?
それは、まだ自国リーグが始まらないアメリカと日本でも韓国の試合が中継されることになったから。大リーグ挑戦を狙っている選手たちには、自分を売り込む良いチャンスになります。頑張ってほしいですね。