社会　新型コロナ　「緊急事態」３９県で解除　８都道府県は宣続く

　政府（せいふ）は１４日（か）、新型（しんがた）コロナウイルスの感染（かんせん）を防（ふせ）ぐため全国（ぜんこく）に広（ひろ）げた「緊急事態（きんきゅうじたい）宣言（せんげん）」について、３９県（けん）で解除（かいじょ）する方針（ほうしん）を決（き）め、専門家（せんもんか）の諮問委員会（しもんいいんかい）もこれを認めました。解除（かいじょ）される地域（ちいき）では、お店（みせ）や施設（しせつ）の再開（さいかい）の動（うご）きが強（つよ）まりそうですが、感染（かんせん）を防（ふせ）ぐ取（と）り組（く）みが求（もと）められています。

　政府（せいふ）は４月（がつ）７日（なのか）に東京（とうきょう）、大阪（おおさか）など７都府県（とふけん）を対象（たいしょう）に宣言（せんげん）を出（だ）しました。ゴールデンウイーク（ＧＷ）をひかえた４月（がつ）１６日（にち）に対象（たいしょう）を全国（ぜんこく）に広（ひろ）げ、特（とく）に重点的（じゅうてんてき）な対策（たいさく）を求（もと）める１３の地域（ちいき）を「特定（とくてい）警戒（けいかい）都道府県（とどうふけん）」に指定（してい）しました。

　政府（せいふ）は、これまでの専門家（せんもんか）の分析（ぶんせき）に基（もと）づいて、特定（とくてい）警戒（けいかい）都道府県（とどうふけん）のうち、茨城（いばらき）▽石川（いしかわ）▽岐阜（ぎふ）▽愛知（あいち）▽福岡（ふくおか）――の５県（けん）は、新（あら）たな感染（かんせん）者（しゃ）が減（へ）ったことなどから、解除（かいじょ）できると判断（はんだん）しました。特定（とくてい）警戒（けいかい）以外（いがい）の３４県（けん）は、ＧＷ中（ちゅう）の旅行（りょこう）や里帰（さとがえ）りによる感染（かんせん）の広（ひろ）がりを防（ふせ）ぐために指定（してい）したいきさつもあり、感染者（かんせんしゃ）が出（で）ない地域（ちいき）も多（おお）く、まとめて解除（かいじょ）します。

　一方（いっぽう）、特定（とくてい）警戒（けいかい）のうち、北海道（ほっかいどう）▽埼玉（さいたま）▽千葉（ちば）▽東京（とうきょう）▽神奈川（かながわ）▽京都（きょうと）▽大阪（おおさか）▽兵庫（ひょうご）――の８都道府県（とどうふけん）は、緊急事態（きんきゅうじたい）宣言（せんげん）を続（つづ）けます。解除（かいじょ）するかどうかは２１日（にち）にも改（あらた）めて判断（はんだん）します。

　判断（はんだん）に当（あ）たっては、（１）感染（かんせん）の状況（じょうきょう）（２）医療（いりょう）提供（ていきょう）体制（たいせい）（３）監視（かんし）体制（たいせい）――の三（みっ）つの点（てん）を重（おも）くみて総合的（そうごうてき）に考（かんが）えます。新（あら）たな感染者（かんせんしゃ）数（すう）については、「ここ１週間（しゅうかん）の報告（ほうこく）数（すう）が１０万人（まんにん）当（あ）たり０・５人（にん）程度（ていど）以下（いか）」を目安（めやす）にします。人口（じんこう）１００万（まん）人（にん）の都道府県（とどうふけん）では１週間（しゅうかん）の新（あら）たな感染者（かんせんしゃ）数（すう）が５人（にん）以下（いか）、人口（じんこう）が約（やく）１４００万（まん）人（にん）の東京都（とうきょうと）の場合（ばあい）は１週間（しゅうかん）で７０人（にん）以下（いか）が目安（めやす）になります。

　政府（せいふ）の専門家会議（せんもんかかいぎ）は、緊急事態（きんきゅうじたい）宣言（せんげん）が解除（かいじょ）された地域（ちいき）であっても、新型（しんがた）コロナウイルスの感染（かんせん）の広（ひろ）がりを受（う）けた「新（あたら）しい生活様式（せいかつようしき）」を心（こころ）がけるよう求（もと）めます。例（たと）えば、人（ひと）と人（ひと）との間隔（かんかく）を２メートル空（あ）けたり、マスクを着（つ）けたりすることです。県（けん）をまたぐ移動（いどう）も、できるだけさけます。

公立（こうりつ）小中（しょうちゅう）高（こう）９割（わり）が休校（きゅうこう）

　文部科学省（もんぶかがくしょう）によると、１１日（にち）正午（しょうご）時点（じてん）で、全国（ぜんこく）の公立（こうりつ）小中学校（しょうちゅうがっこう）の８８％、公立（こうりつ）高校（こうこう）の９０％が休校（きゅうこう）しています。休校（きゅうこう）を終（お）える時期（じき）については、公立（こうりつ）小中学校（しょうちゅうがっこう）の１７％が「１１～２４日（か）」、８０％が「２５～３１日（にち）」と答（こた）えました。３％は「未定（みてい）・検討中（けんとうちゅう）」としています。これまでの１３の特定（とくてい）警戒（けいかい）都道府県（とどうふけん）に限（かぎ）れば、公立学校（こうりつがっこう）の９９％が「２５～３１日（にち）」と答（こた）えていて、休校（きゅうこう）が長引（ながび）いています。

　愛知県（あいちけん）は、３１日（にち）までとしていた県立（けんりつ）学校（がっこう）の休校（きゅうこう）期間（きかん）を１週間（しゅうかん）短（みじか）くし、２５日（にち）から授業（じゅぎょう）を再開（さいかい）することにしました。一方（いっぽう）、子（こ）どもの感染（かんせん）を心配（しんぱい）し、学校（がっこう）の再開（さいかい）に慎重（しんちょう）な地域（ちいき）もあります。