コロナ禍でニンニク人気　「におい、気にする時減った」

　新型（しんがた）コロナウイルスの感染拡大（かんせんかくだい）後（ご）に、ニンニクを使（つか）った香辛料（こうしんりょう）や調味料（ちょうみりょう）の売（う）り上（あ）げが伸（の）びています。ニンニクの健康（けんこう）効果（こうか）への期待（きたい）が高（たか）まったことや、食後（しょくご）のにおいに気（き）を使（つか）わなくなったことが背景（はいけい）にあるとみられます。実際に「家（いえ）にいる時間（じかん）や、マスクを着（つ）ける時間（じかん）が増（ふ）えて、においを気（き）にしなくなった」などの声（こえ）があります。

　調査会社（ちょうさがいしゃ）「インテージ」のデータによると、おろしニンニクや、粉（こな）・スライスのニンニクといった関連（かんれん）の香辛料（こうしんりょう）や調味料（ちょうみりょう）の売（う）れ行（ゆ）きは、新型（しんがた）コロナの流行（りゅうこう）以降（いこう）に急（きゅう）拡大（かくだい）しました。2022年（ねん）の販売（はんばい）金額（きんがく）は約（やく）87億（おく）円（えん）で、コロナ流行（りゅうこう）前（まえ）の19年（ねん）の1・3倍（ばい）になりました。

　ニンニク商品（しょうひん）も多（おお）く取（と）り扱（あつか）う食品会社（しょくひんがいしゃ）「エスビー食品（しょくひん）」は、「コロナ禍（か）以降（いこう）にニンニクを食（た）べる機会（きかい）が増（ふ）えた理由（りゆう）」というアンケート（複数回答（ふくすうかいとう））をしました。

　その結果（けっか）は、「免疫力（めんえきりょく）やスタミナ向上（こうじょう）のため」（46・7％）、「ニンニクを使（つか）う料理（りょうり）を自炊（じすい）することが増（ふ）えたため」（39・1％）、「在宅（ざいたく）が増（ふ）え、においを気（き）にしなくなったため」（34・7％）などが多（おお）い回答（かいとう）でした。同社（どうしゃ）の担当者（たんとうしゃ）は「健康（けんこう）維持（いじ）への期待（きたい）や在宅（ざいたく）時間（じかん）の増加（ぞうか）により、コロナ禍（か）でニンニク需要（じゅよう）が加速（かそく）した」と分析（ぶんせき）しています。

　ニンニク人気（にんき）を持続（じぞく）させようと、同社（どうしゃ）は、ニンニク専門（せんもん）の特設（とくせつ）サイト「週末（しゅうまつ）にんにく部（ぶ）」を開設（かいせつ）しました。担当者（たんとうしゃ）は「今後（こんご）、マスクを外（はず）す機会（きかい）が増（ふ）える中（なか）で、ニンニクの消費（しょうひ）はにおいを気（き）にする必要（ひつよう）がない週末（しゅうまつ）に集中（しゅうちゅう）することが予測（よそく）されます」と話（はな）します。カレーやおつまみなどのニンニクレシピの紹介（しょうかい）などの内容（ないよう）を充実（じゅうじつ）させ、「ニンニク料理（りょうり）を楽（たの）しんでみませんか」と呼（よ）びかけています。【町野（まちの）幸（ゆき）、小山由宇（こやまよしたか）】